相談件数は今後も増えていくと考えられます。そしてそれに伴う現場の担当職員の増員、専門性の強化は急務です。また社会的養護施設の受け皿にも限りがあります。それを抽象的ですが表したのが上の図になります。水際対策だけではなく、予防の手立てを強化していく必要があります。
育児・養育をする親になんらかのストレスやリスクがあった場合、そのリスクに対してきちんと補償あるいは回避させたり軽減させる仕組みやサービスが幾重にもある状態を社会全体として作っていきたいと思います。かつて介護問題も24時間ケアするサービスはありませんでした。あくまでも家庭「内」の問題でしたが、それを個人の問題としてではなく、社会の問題として外部化させて、世論が変わっていき介護保険や制度など、制度や政策が変わっていきました。子はたからプロジェクトでは、子どもそして親の補償制度を作ることを大きなゴールとして目指しています。
・「虐待を防止する」だけではなく→「虐待を予防する」という柱を立てる
・リスクはどの家庭にもあるとした上で考えていく。支援が必要な人に必要な分だけ届くこと。
それぞれの家庭や地域のリスクに対して何をすれば、子どもと大人が安心して育っていけるのか。大人もいきなり親になれるのではなく、子どもと一緒に親として育っていきます。次世代を担う命を次につなげていくために、家族単位ではなく、子どもたち一人一人を「社会の子」として社会(地域)で支えていきたいです。 現行で虐待防止や子育て支援と並行しつつ、虐待予防という軸を推進させ、そもそも虐待が起こらないような社会、または起きても大丈夫だよと言えるような優しく強い社会を創造するために、2015年8月「子はたからプロジェクト」を発足しました。【 思い描く未来 】虐待はどの家庭にも起こり得る身近なことです。肯定することはできませんが、だれもがその一線を越えてしまう可能性があります。
虐待をされてきたという事実はなかったことにできませんが、あって良かったことにはできると思っています。経験をしてきたからこその今の自分がいて、今の生き方に繋がっています。
虐待があってもなくてもよい世の中にしたい。そしてその先の虐待がなくなった世界を見てみたい。
大人は子どもを授かった日から親になります。しかし親になったからと言って、子育てのスキルもセットになって親になるわけではありません。子育てが始まってからは、初めての経験、分からないこと、不安なことが次々に起こります。「思うようにできなくても大丈夫」「困ったときは周りが助けてくれる」そんな世界をもっと身近にしたいです。親も子どもと一緒に成長し、親を支える大人たちが周りにたくさんいれば、もっと楽に、肩の力を抜いて子育てを楽しめるのではかいと思います。孤独に子育てするのではなく、社会全体で力を合わせて子育てしていく社会を目指しています。
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